この記事では、本を読むと眠くなるのはなぜなのか、その理由をわかりやすく解説していきます。

読書をしたいのに数ページで眠くなってウトウト…。そんな人はぜひ参考にしてください
本を読むと眠くなる6つの理由

本を読むと眠くなる6つの理由をそれぞれくわしく解説していきます。
本を読むと眠くなる理由①:脳が文字情報を理解しようとフル回転するから

まず知っておきたいのは、「本を読む」という行為は、脳にとって非常に高度な知的労働だということです。
私たちは普段、何気なく本を読んでいますが、脳の中では、
- 文字を認識する
- 単語や文法を理解する
- 文章全体の意味を解釈する
- 物語の情景や登場人物をイメージする
- 自分の知識や経験と結びつける
といった、複雑で膨大な情報処理が猛スピードで行われています。
これは例えるなら、脳の中で文字という設計図だけを頼りに、一本の映画を制作しているようなもの。当然、脳は大量のエネルギーを消費し、疲労します。そして、脳が疲れると、「休息が必要だ」と判断し、眠くなるのです。
本を読むと眠くなる理由②:単調な作業が脳の覚醒レベルを下げるから

「脳がフル回転しているなら、眠くならないのでは?」と思いますよね。ここが面白いポイントです。
脳の「思考」の部分がフル回転している一方で、脳の「覚醒」を司る部分は、読書を単調な作業だと判断して休息モードに入ろうとします。
考えてみてください。読書中は、
- 視界に入るのは、基本的に変化の少ない「文字の列」
- 体は長時間、同じ姿勢で動かない
- 静かな環境で、耳からの刺激も少ない
このように五感への刺激が単調だと、脳の覚醒を保つ神経伝達物質(ノルアドレナリンなど)の分泌が減ってしまいます。これは、高速道路を淡々と運転しているときに眠くなるのと同じ原理です。
「頭は疲れているのに、体への刺激は退屈」というダブルパンチで、強い眠気に襲われやすくなるのです。
本を読むと眠くなる理由③:目のピント調節機能が疲労するから(眼精疲労)

本を読む時に小さな文字に長時間ピントを合わせ続けると、目のピントを調節している筋肉(毛様体筋)が凝り固まってしまいます。これが、いわゆる「眼精疲労」です。
目の疲れは、ただ目がショボショボするだけではありません。目の周りの神経は自律神経と密接につながっているため、目の疲労が全身の倦怠感や頭痛、そして強い眠気を引き起こす原因になるのです。
目がしょぼしょぼして眠気を感じる症状は、眼精疲労が原因である可能性があります。また、自律神経の乱れや脳の疲労が関連しているかもしれません。
引用:ユビー病気のQ&A
本を読むと眠くなる理由④:同じ姿勢が続き、脳への血流が滞るから

ソファや椅子に座って本を読んでいると、長時間同じ姿勢になりがちです。すると、首や肩の筋肉が緊張して硬くなり、血管を圧迫してしまいます。
その結果、脳へ送られる血液の流れが悪くなり、十分な酸素や栄養が届きにくくなります。脳が酸欠状態になると、その働きが低下し、ボーッとしたり、眠くなったりするのです。
酸素不足により、脳の機能は低下し、注意力や覚醒状態が損なわれることがあります。
引用:まえだクリニック
この結果、日常的に眠気を感じることが増え、集中力の低下や記憶力の減退が起こってしまうのです。
本を読むと眠くなる理由⑤:リラックスできる環境が「睡眠スイッチ」を押すから

ふかふかのソファやベッドの上、静かで薄暗い照明の部屋…。これらは最高の読書環境に思えますが、同時に最高の「入眠環境」でもあります。
このようなリラックスできる環境に身を置くと、心身を休息モードにする「副交感神経」が優位になります。すると、脳は「これから寝るんだな」と勘違いし、自然と心拍数や体温を下げて、睡眠への準備を始めてしまうのです。
本を読むと眠くなる理由⑥:「読書=寝る前」の習慣が条件反射になっているから

「寝る前の30分は読書タイム」と決めている方も多いのではないでしょうか。この習慣自体は素晴らしいものですが、眠気を誘う原因にもなり得ます。
毎日同じ時間に同じ行動を繰り返していると、脳は「本を開く=もうすぐ寝る時間」と学習します。これは「パブロフの犬」で有名な条件反射と同じです。
その結果、時間帯に関わらず、本を開いただけで体が自動的に睡眠モードのスイッチを入れてしまうことがあるのです。
まとめ
今回は、読書中に眠くなる6つの理由について解説しました。
- 脳が文字情報を理解しようとフル回転するから
- 単調な作業が脳の覚醒レベルを下げるから
- 目のピント調節機能が疲労するから(眼精疲労)
- 同じ姿勢が続き、脳への血流が滞るから
- リラックスできる環境が「睡眠スイッチ」を押すから
- 「読書=寝る前」の習慣が条件反射になっているから
このように、本を読むと眠くなるのは、あなたの意志が弱いからでも、集中力がないからでもありません。脳と体の仕組み、そして環境が複雑に絡み合った、ごく自然な生理現象なのです。
眠くなる理由がわかれば、自分を責める必要はありません。まずは「眠くなっても仕方ないんだ」と受け入れるところから、新しい読書ライフを始めてみてはいかがでしょうか。
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