読書はしたい、知識もつけたい。でも、どうしても眠くなっちゃう。そんなあなたに向けて、本を読むと眠くなる時の対策を科学的根拠をもとにご紹介します!

誰でもできるような対策を紹介するのでぜひ参考にしてください
本を読むと眠くなる時の対策

以下の3つのパートに分けて、今日からすぐに試せる具体的な方法を解説していきます。
1つでも「これならできそう!」と思えるものを見つけて、あなたの読書ライフをもっと楽しく、充実させていきましょう!
この記事は、オーディオブック形式の以下の音声ファイルでも視聴できます。
【準備編】読書を始める前にできる眠気対策
「備えあれば憂いなし」って言いますよね。実は、本を読む前のちょっとした準備で、眠気はかなり防げるんですよ。まずは、読書に最適な「眠くならない環境」の作り方から見ていきましょう!
対策1:部屋をガンガンに明るくする

まず試してほしいのが、とにかく読書環境を明るくすることです。
ムードのある間接照明だけで読書…なんて、お洒落ですけど眠気に直行する特急列車みたいなもの(笑)。なぜかというと、私たちの体は「光」と「眠り」に深い関係があるからなんです。
人の脳は、暗い場所にいると「お、もう夜だな。そろそろ休む時間か」と判断して、「メラトニン」っていう“眠りを誘うホルモン”を分泌し始めます。これが自然な眠気の正体です。
メラトニンは、強い光を浴びると分泌量が減り、反対に暗い所にいると分泌量が増えるため、人は夜になると眠くなります。
引用:いりたに内科クリニック
つまり、薄暗い部屋で本を読むのは、「さあ、寝てください」と体に合図を送っているのと同じこと。これじゃあ眠くなるのも無理はありません。
まずは部屋の明るさを見直すだけで、驚くほどシャキッと読書できるようになるはずです。
対策2:ベッドやソファから離れる

「ベッドにごろんと寝転がって読書するのが至福の時…」わかります、最高に気持ちいいですよね。でも、それが本を読むと眠くなる最大のワナなんです。
あなたの脳は、きっとこう学習しちゃってます。
「ベッド = 寝る場所」
「ソファ = リラックスしてうたた寝する場所」
これは「条件付け」といって、特定の状況と行動がセットで記憶される脳の仕組みです。「パブロフの犬」の条件反射としても有名ですね。
犬にベルを鳴らしてえさを与えると、ベルを鳴らしただけで、犬がだ液を分泌するようになる。
引用元:サイエンスポータル
だから、たとえ昼間でも、ベッドに入って本を開いた瞬間に、脳が「はい、睡眠モードに切り替えまーす!」と自動的にスイッチを入れちゃうんです。
【対策に必要な行動】
- ダイニングテーブルや書斎の机に向かって、椅子に座って読む。これが基本スタイルです。
- 少し背筋を伸ばして、やや前傾姿勢を意識すると、「これは勉強や仕事に近い、集中モードだぞ」と脳が認識してくれます。
- 近所のカフェや図書館に出かけるのも、気分が変わっておすすめです。「眠る場所じゃない」と脳が分かっているので、集中しやすくなります。
ベッドやソファは「眠るための場所」として、読書とはキッパリ切り離してあげましょう。
対策3:空気を入れ替えて、ちょっと涼しくする

閉め切った部屋で読書していると、だんだん頭がボーッとしてきませんか? それ、気のせいじゃないかもしれません。
部屋を閉め切っていると、自分の呼吸で室内の二酸化炭素濃度がどんどん上がっていきます。この二酸化炭素が、集中力の低下や眠気の原因になるんです。
二酸化炭素濃度を厳密に制御した環境下で調べた結果、実際に二酸化炭素が日中の眠気を引き起こしていることがわかりました。
引用:東北大学
さらに、「体温」も眠気の大きなカギを握っています。ポカポカと暖かい部屋は気持ちいいですが、リラックスしすぎて、体が休息モードに入りやすくなってしまうんですね。
【対策に必要な行動】
- 読書を始める前に、5分ほど窓を開けて部屋の空気を総入れ替え!新鮮な空気を取り込むだけで、頭がスッキリします。
- 室温は「少し涼しいかな?」と感じるくらいに設定する。
- 足元が冷える場合は、ブランケットなどで調整すればOKです。
本を読むと眠くなる人は「換気」と「少しの涼しさ」。この2つを意識するだけで、脳が覚醒した状態をキープしやすくなりますよ。
対策4:最強の仮眠「パワーナップ」をとる

「もうすでに眠い…」という時は、無理に戦わず、いっそ戦略的に寝てしまうのが大正解です。そこでおすすめなのが「パワーナップ」。
パワーナップとは、15分~25分程度の短い仮眠のこと。NASAの研究でも、この短い仮眠がその後の認知能力や注意力を大幅に回復させることが証明されている、科学的に最強の回復術なんです。
パワーナップの科学的効果を実証したのは、NASA(アメリカ航空宇宙局)。1995年頃からNASA Napsという睡眠研究を行っており、その実証実験では昼に26分間の仮眠で、認知能力が34%、注意力は54%も向上しました。
引用元:PHILIPS
ポイントは「寝すぎない」こと。30分以上寝てしまうと、深い眠りに入ってしまって、起きた時に逆に頭がボーッとしてしまいます。
ただし、仮眠が30分以上になると、ステージ4に進み、深い眠りに到達してしまいます。(中略)パワーナップは20分前後の短時間で済ませることが、スッキリ目覚める最大の秘訣です。
引用元:PHILIPS
【対策に必要な行動】
- タイマーを15分~20分にセットする。
- ベッドで横にならず、机に突っ伏したり、椅子の背もたれに寄りかかったりして寝る。(本気寝を防ぐためです)
- 応用編「コーヒーナップ」: 仮眠の直前にコーヒーや緑茶など、カフェインを含む飲み物を一杯飲む。カフェインは摂取してから20~30分後に効き始めるので、ちょうど目覚める頃にシャキッとさせてくれるんです。これは本当に効果絶大なので、ぜひ試してみてください!
眠気に逆らうのではなく、賢く利用して脳をリフレッシュさせましょう。
対策5:食後すぐは避ける!本を読むゴールデンタイムを見つける

ランチや夕食のあと、猛烈な眠気に襲われること、ありますよね。あれは、食事で摂った糖質によって血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンというホルモンがたくさん出て、今度は血糖値が急降下する…という「血糖値スパイク」が原因です。
この血糖値の乱高下は、強い眠気を引き起こします。つまり、満腹状態での読書は、眠くなって当たり前なんです。
この急激な血糖値の変動が、強い眠気やだるさを引き起こす原因となります。また、血糖値が高い状態が続くと、覚醒を促す「オレキシン」というホルモンの分泌が抑制され、さらに眠気を感じやすくなります。
引用元:MYメディカルクリニック
【対策に必要な行動】
- 食後すぐに本を読むのは避ける。最低でも1時間は休憩して、消化が落ち着くのを待ちましょう。
- 自分なりの「本を読むゴールデンタイム」を見つける。例えば、頭がスッキリしている朝、通勤中の電車の中、夜ご飯を食べてお風呂も済ませた後のリラックスタイムなど。
本を読むと眠くなる人は、生活リズムの中に、読書を組み込むベストなタイミングを探ってみてください。
【実践編】読書中に眠気が襲ってきた時の撃退法
準備は万端!でも、本を読み進めるうちにやっぱりまぶたが…そんな時のための緊急撃退法です。読書中でもサッとできる対策で、眠気を吹き飛ばしましょう!
対策6:体を動かして脳に刺激を与える

長時間同じ姿勢でじっとしていると、全身の血の巡りが悪くなります。当然、脳に届く酸素の量も減ってしまい、脳の働きが鈍くなって眠気を感じやすくなるんです。
そこで、眠くなってきたなと感じたら、とにかく体を動かしましょう!
体を動かすと血流がグンと良くなって、脳に新鮮な酸素がたっぷり送り込まれます。また、体を動かすことで交感神経も刺激されます。すると、脳が「おっと、活動の時間だな!」と再起動して、一気に覚醒モードに切り替わります。
血行不良が眠気につながることは科学的にも証明されていることですね。眠気が強いとき、人間の脳は副交感神経が強まっているため、身体を動かすことで交感神経を優位に働かせる必要があります。血行改善効果も期待できるため、相乗効果で眠気をブロックできます。
引用元:BRAIN SLEEP
【対策に必要な行動】
- 30分に一度、立ち上がって背伸びをする。
- 肩をぐるぐる回したり、首をゆっくりストレッチしたりする。
- その場で軽く足踏みしたり、かかとの上げ下げをしたりする。
- いっそ5分だけ、近所を散歩してくるのも最高のリフレッシュになります。
本を読むと眠くなる人は、時間管理術の「ポモドーロ・テクニック」(25分集中→5分休憩)を取り入れて、休憩時間に軽い運動を挟むのもすごく効果的ですよ。
対策7:口を動かして脳を叩き起こす

ガムを噛んでいると眠気が覚める、というのはよく知られていますよね。これも科学的に理にかなった方法です。
ガムを咀嚼することは覚醒度を維持する効果があり,さらに刺激ガムを咀嚼することがより高い効果があるということが本研究の実験結果から認められる。
引用元:NIRSを用いたガム咀嚼による眠気抑制の定量的評価
「噛む」というリズミカルな運動は、脳の記憶を司る「海馬」や、意識をハッキリさせる神経系を直接刺激します。さらに、顎を動かすことで脳への血流もアップ!口を動かすだけで、脳は強制的に叩き起こされるんです。
【対策に必要な行動】
- ミント系のスースーするガムを噛む。爽快な刺激がプラスされて効果倍増です。
- 氷を入れた冷たい水を飲む。「冷たい!」という刺激が、リラックスモードの副交感神経から、活動モードの交感神経へとスイッチを切り替えてくれます。
- スルメやあたりめ、ナッツなど、歯ごたえのあるおやつを少し食べるのも良いですね。
読書のお供に、ガムや冷たい飲み物を用意しておくだけで、心強い眠気対策になります。
対策8:読書を”攻めの読書”に変える「アクティブ・リーディング」

ただ目で文字を追うだけの「受け身の読書」は、脳への刺激が単調になりがちで、退屈して眠くなってしまいます。
そこで試してほしいのが、体も頭もフル活用する「アクティブ・リーディング(攻めの読書)」です。読書を、見るだけのスポーツ観戦から、自分もプレイヤーに変えちゃうイメージですね。
【対策に必要な行動】
- 小さな声で「音読」する: 声に出して読むと、目(視覚)だけでなく、口や耳(聴覚)も使うことになり、脳のより広い範囲が活性化します。周りに人がいる場所なら、口パクでもOKです。
- 文章を「指でなぞりながら」読む: 子供の頃にやったかもしれませんが、これが意外と効果的。目の動きを指がリードしてくれるので、ペースが落ちずに集中力が持続します。
- 気になった箇所に「線を引く・メモをとる」: 「ここは重要だ!」と感じた部分に線を引いたり、ページの余白に感想や疑問を書き込んだりしてみましょう。手を動かすという行為が脳への良い刺激になりますし、内容の理解も深まります。
- 「誰かに説明するつもりで」読む: これが最強かもしれません。「この章の内容を、後で友達に分かりやすく説明するならどう話そう?」と考えながら読むと、脳は情報を整理・要約しようとフル回転します。眠くなる暇なんてありません!
一つでもいいので取り入れてみると、読書への向き合い方がガラッと変わるはずです。
【応用編】そもそも眠くならない本を選ぶ
最後に、道具やアプローチを少し変えることで、根本的に眠気を遠ざける方法をご紹介します。
対策9:ちょっと背伸びする本を選んでみる

「簡単な本の方がスラスラ読めて眠くならないんじゃ?」と思いきや、実は逆のことが多いんです。
あまりにも簡単すぎる内容や、全く興味が持てないテーマの本は、脳にとって「退屈な情報」でしかありません。脳は退屈すると、すぐに省エネモード、つまり睡眠モードに入ろうとします。
これが原因で本を読むと眠くなる人もいます。
逆に、自分の知的好奇心をくすぐるような、「面白い!もっと知りたい!」と思える本や、今の自分には「ちょっと難しいかも?」と感じるような少し挑戦的な本を読むと、脳内では「ドーパミン」というやる気や快感に関わる物質がドバドバ出てきます。
このドーパミンが、脳を「覚醒モード」にしてくれるんです。
【対策に必要な行動】
- 自分の専門分野や好きなことについて、一歩踏み込んだ本を選んでみる。
- 書店でパラパラめくって「なんだこれ、面白そう!」とワクワクする本を選ぶ。
- 「難しそうだけど、これを読破したらレベルアップできそう」と思える本にあえて挑戦する。
脳をワクワクさせてあげることが、最高の眠気覚ましになるかもしれません。
対策10:電子書籍リーダーを使ってみる

スマホで本を読むと目が疲れて眠くなる…という人も多いかもしれません。スマホの画面から出るブルーライトは、確かに目を疲れさせます。
そこでおすすめなのが、「電子書籍リーダー(Kindleなど)」です。
スマホやタブレットとは違い、多くの電子書籍リーダーは「E-ink(電子ペーパー)」という特殊なディスプレイを使っています。
Kindleなどの電子書籍端末をはじめとした世界中の電子ペーパーには、このE Ink技術が採用されているのだ。(中略)まるで紙の印刷物そのもののように見える。しかも、液晶表示のようにバックライトは必要とせず、自然の光で見るところも紙の印刷物と同じだから、何よりも目が疲れない。
引用元:KDDI
これは、ブルーライトをほとんど発さず、まるで本物の紙に印刷されたような表示で、目にとても優しいのが特徴です。
【対策に必要な行動】
- 文字の大きさを自由に変える。「ちょっと小さいな」と感じたら、すぐに大きくして目の負担を減らせます。
- マーカー機能やメモ機能を活用する。先ほど紹介した「アクティブ・リーディング」が、端末一つで簡単に実践できます。
- 分からない単語も、タップ一つで辞書が引けるので、読書のストレスが減り、集中力が途切れにくいです。
目の疲れからくる眠気に悩んでいるなら、試してみる価値は十分にありますよ。
対策11:オーディオブックで「聴く読書」に切り替える

もう何をどうしても本を読むと眠くなる!目が疲れて限界!そんな時の最終兵器が「オーディオブック」です。
これは、プロのナレーターや声優が本を朗読してくれる「聴く本」のこと。目を使わないので、目の疲れからくる眠気は完全にシャットアウトできます。
「それって読書なの?」と思うかもしれませんが、耳から情報をインプットするのも立派な読書体験です。
【対策に必要な行動】
- 通勤や通学の電車の中で聴く。
- 散歩やランニングをしながら聴く。(体を動かしながらなので眠くなりようがない!)
- 料理や掃除などの家事をしながら聴く。
「読む」のがつらい時は、気軽に「聴く」に切り替えてみる。この柔軟な発想が、あなたの読書生活をさらに豊かにしてくれるはずです。
まとめ
お疲れ様でした!本を読むと眠くなる時の対策を11個もご紹介してきましたが、いかがでしたか?
最後に、ポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 【準備編】: 明るい部屋で、机に向かって、少し涼しい環境を整える。食後は避け、短い仮眠も活用!
- 【実践編】: 眠くなったら動く!噛む!そしてメモや音読で「攻めの読書」を実践!
- 【応用編】: 好奇心を刺激する本を選び、電子書籍やオーディオブックといったツールも賢く使う!
もちろん、全部を一度に試す必要はありません。「これならできそう」「面白そう」と感じたものから、ぜひ一つ、試してみてください。
本がスラスラ読めるようになると、新しい知識や感動との出会いがもっともっと増えていきます。この記事が、あなたの読書ライフをより豊かで楽しいものにする、小さなきっかけになれたら嬉しいです。
さあ、眠気に打ち勝って、最高の読書体験を楽しみましょう!応援しています!
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